なんで「露出」っていうの?
撮影スタジオにおけるカメラ講座3回め。
以下、雑学に近いものです。
写真の勉強始めると割とすぐ出てくるけれども、いまいち直感的ではないワード「露出」。
要するに明るさのことなんですが、なぜそう呼ぶのか。
別に知らなくても問題ないのですが、気になっちゃう方もいるかもしれません。自分がそうでした。
ので、そんな方のために自分が調べたものを軽くご説明してみますね。
「露出」とは
「露出」は写真の明るさを決める重要な要素です。適切な露出とは写真が明るすぎず暗すぎず、ちょうど良い明るさで撮れている状態を指します。露出は、以下の3つの要素で構成されています
絞り(アパーチャー)
レンズの開口部の大きさを調整し、カメラに入る光の量を制御します。
f値が小さいほど開口部が大きく、光が多く入ります。絞りは、写真のピントが合う範囲(被写界深度)にも影響を与えます。
シャッタースピード
シャッターが開いている時間を調整して光の量をコントロールします。
シャッタースピードが速いと、動いている被写体を止めて撮影できますが、遅いと被写体がブレることがあります。
ISO感度
センサーが光をどれだけ敏感に捉えるかを調整します。
ISO感度が高いと暗い場所でも明るく撮影できますが、ノイズが増えます。
低いとノイズは少なくなりますが、より多くの光が必要です。
これらの要素をバランスよく調整することで、適切な露出が得られます。例えば、暗い場所では絞りを開けてシャッタースピードを遅くし、ISO感度を上げて十分な光を取り込むことができます。プロの写真家は、状況に応じてこれらを調整し、意図した表現を実現しています。
なぜ「露出」と呼ぶようになったのか
写真で「露出」と呼ばれてる部分、これが英語ではexposeと表記されており、つまりそのほぼ直訳なのです。ここを「明るさ」とか訳してもらえればもう少し分かりやすかったのかもしれません。が、それはそれで一般的に使われてる言葉と混同してしまうからか、ともかくも当時、露出という訳語をあてたのですね。
しかし露出、と聞くと我々にとっては
「何かがどこかに出てるの?」
みたいなイメージを抱き、その「何がどこに」かわからないのでいまいち直感的でなく思えるのではないでしょうか。
これはつまり、写真の原理として
「感光面(カメラ内でレンズを通して光を受ける部分。もとはフィルムであり、今はデジタル)が
シャッター膜(普段はまさしくガレージのシャッターのように閉じてるのが、一瞬開く)から
出てること」
と考えられます。
それが大きい=感光面がシャッター幕から出てる時間が長い=明るくなる
それが小さい=感光面がシャッター幕から出てる時間が短い=暗くなる
と思えば、この言葉も多少は感覚として腑に落ちるのではないでしょうか。
図にしてみるとこんな感じですね。

しかし、写真の訳語については、当時あまりにも最先端すぎたからか今となっては分かりにくく思える言葉が他にも見受けられます。ハイスピードシンクロ、スローシンクロ、なんかもそうですね。
まず覚えてほしいのはこれも
「用語が分かりづらいのだけど、これは昔の翻訳のせいで、あなたの能力がどうこうというわけではない」
ということです。
少しずつ解説していければと思いますので、
これからの記事がそうした疑問を解消するひとつに手助けになれば幸いでございます。